台風15号備忘録:本部立ち上げのタイミングを逸した

引き続き、台風15号の被害で感じたことを。

医療機関には、定期的な防災訓練が義務づけられています。
火災や地震を想定して、避難訓練を行います。

病院に限らず、どこも同じだと思いますが、会議室など、多めの人数が収容できる場所に「本部」を設置し、各部署から報告を受ける態勢を整えます。

今回の台風15号では、この「本部」が機能しませんでした。

明日復旧するかもしれない


まず直面したのが「停電」です。当院では60時間以上停電が続いたのですが、正気なところ、ここまで長くなると思っていませんでした。

最初は情報が全くなく混沌としていました。初日の電力会社の会見は、「明日復旧」とのことでしたが、その後、「思ったよりも被害が深刻で…」と変更になったり。

ようやく停電が復旧したと思ったら今度は断水。

こうして、情報が不足、また錯綜する中、どこかで「間もなく復旧するだろう」と楽観的に見ていたところ、気がつけば1週間、10日と日が経っていったのです。

本部は必要


EMISの記事で、「情報を一元管理することの大切さ」に気づいたことを書きましたが、院内もこれと全く同じだと思いました。

本部がないことによって、情報が分散しました。

実際に、自治体への同じ内容の問い合わせが、数カ所から発信されていたことがわかりました。
逆に、自治体からの回答が、病院の中でたらい回しになることがありました。

こういった状況の中で「情報を整理すること」は重要だと実感しました。

落ち着いて考えれば気がつきそうなものですが、皆苛立っているので、正常な判断ができなかった部分もあります。

たかが台風ではすまされない


余談ですが、「台風」という、年に複数回経験する気象現象を、「これは災害」と判断することはなかなか難しいのではないかと思いました。

もしかしたら、今回一番の教訓はこれかもしれません。

気象のことわかりませんが、これが温暖化によるものなのか、だとすれば今後も台風が大型化していくのでしょうか。

今まで当院の地域では、大きな気象災害に見まわれることはなかったのですが、「台風」が自然の凶器になるとわかった以上、一定の備えが必要であると切り替えていきたいと思います。

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