メーカーと現場の間で

電子カルテの導入プロジェクト本格的にスタートするのはもう少し先です。
カルテメーカーにしてみれば、SEの人件費がかさむのでできるだけ短期間に仕上げたいところです。ですから、顧客(病院)が運用開始に設定した日から逆算して、SEの常駐を開始し本格的なプロジェクトのスタートとなります。
ウチの場合は、その「本格的なスタート」までに、もう少し時間があります。

そんな中、カルテーメーカーは「プロジェクトのスタートまでに、なにをどう移行するか院内で整理しておいてくれ」と言います。
カルテメーカーによると、プロジェクトのスタート時点で「やること」が整理できていないと、その分プロジェクトが「押す」のだそうです。例えば、いざプロジェクトが始まりSEのヒアリングまって、そこで初めて、ある検査機器の検査結果をデータとして取り込む必要が出てきたとします。既存の検査機器でシステムに接続できるのか、接続できなければ買い換えなければならないのか。運良く接続できると判明しても、検査機器メーカーと接続の打ち合わせをして、そこには手数料も発生するわけで…。と結構な時間がかかります。
そういう事態を避けるために、カルテメーカーはプロジェクトを準備万端で始められるよう、我々を煽ります。
一方、診療現場の方は、「システムで何ができて何ができないのかわからない」と言う。よく、パソコン初心者の人に、「わからないことがあったらなんでも聞いて」って言うと、「どこから聞いていいのか…、わからないことがわからない」なんて話になります。まだ触ってもいない電子カルテについて聞いたって、それは土台無理だろう。当然、現場の皆さんからは「もう一度カルテメーカーから機能説明を受けたい」という要請を受けます。
それをカルテメーカーに話すと、「SEの常駐が始まったら詳しい話ができるので…」と、プロジェクトが本格始動するまでは、余分な人件費は割きたくないらしい。

これぞ、「板ばさみ」。

こんな時、我がシステム部門が、忙しい現場に変わって、カルテメーカーに対し情報収集をしなければなりません。
単なる技術屋ではなく、コンサルティング能力が問われる場面です。頑張ります。

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