ExcelとGoogleドキュメント

当院では、MicrosoftのOffice(以下:Ms-Office)を使っています。

前の職場では、Googleドキュメントを使っていました。私にはどうも、Googleドキュメントに比べると、MicrosoftOfficeが一世代前のソフトウェアに思えてきます。
理由は主に2つ。

同時編集
複数のユーザーで文書を共有しているときに、Ms-Officeだと、誰か一人が開いていると、別の人は「読み取り専用で開くか、諦めるしかありません。調べればこのへんを制御する機能があるかもしれませんが、Googleドキュメントだと、ややこしい設定なしに、一度共有すれば同時にファイルを開いて同時に編集ができます。
院内で共有しているときはまだ良いのですが、外部と共有し始めると本当に歯がゆい思いをします。
ここのところ、カルテメーカーともやり取りする情報が増えてきて、例えば「各部門に何台のPCやプリンタを置くか」という管理表があるのですが、私が修正することもあるし、カルテメーカーの担当者も修正することがあります。そんな時、Excelだと、「メールで送って、返ってくるまでは編集できない」とか、「編集したら最新版を送っておく」とか、本当に面倒です。
Googleドキュメントのスプレッドシートだと、複数のユーザーが同時に編集できます。誰かが同時に開いていると、その人がいまどこのセルを編集しているかもわかります。まさにリアルタイムに共同作業ができてしまいます。
「進捗管理表」とか「IPアドレスの割り振り表」とか明らかに複数で編集する必要があるものは、Googleドキュメントのスプレッドシートに「持って来い」です。

検索
編集機能よりも、ファイルの扱い方の話になります。Ms-Officeがディレクトリ型というか、整理して保管するスタイルだとすると、Googleドキュメントは、とりあえず保存しておいて、また使うときは検索機能に任せる、というスタイルです。
Googleドキュメントのホーム画面、今は「Googleドライブ」という名前になりましたが、ここは最終更新日が新しい順にならんています。つまり頻度の高いものが上の方に、あまり使用しないものは下に行きます。実際、これであまり困らないし、むしろ更新があったものがすぐわかるのでとても便利です。
野口 悠紀雄先生が書かれた「超整理法」を20年くらい前に読んで以来、ずっと実践している私ですが、Googleドキュメントはこの「超整理法」と同じと言っていいと思います。
検索するときも、Googleの強力な検索機能が使えます。検索ワードを入れて「検索しています、しばらくお待ち…」なんてことはなく、一瞬で結果がわかります。なので、思った結果が得られなければ何度でも検索ワードを変えて試せます。「あのファイルどこに保存したっけ…」ということがありません。


こんなわけで、本当に便利なGoogleドキュメントですが、難点もいくつかあります。

印刷が弱い
はっきり言って、見栄えのするドキュメントを印刷するのは苦手です。「罫線の種類がない」とか「書式の選択しが少ない」とか、そのへんはとにかく弱いです。
ただ、これは考え方の違いなのだと思います。おそらく「紙にして見る(見せる)」ことを想定していないのではないかと。集計結果を紙にして上司に提出するよりも、上司がPCで集計結果を見れば良いのです。私がシートを編集したことは上司にもわかるので、報告しなくても良いくらいではないかと。

クラウドに対する抵抗感
これを言ってしまうとミもフタもないのですが、外部にデータを預けるということに抵抗感は、組織であればかならずあると思います。個人のデータであれば自己責任で良いのですが、会社のデータとなるとそうは行きません。
ただ、これも野口 悠紀雄先生が書籍「超超整理法」で「グーグルフォビア(恐怖症)」として指摘しています。


まさに、ウチの電算部門でもこれが理由で、クラウドサービスを使うことをためらっています。
とはいえ、細かく見ていけば、メールサーバーやWebサーバーはアウトソースしているので、院外のサーバーを使い、管理者権限を持っているアウトソース先の担当者は、その気になれば内容の確認・改ざんができてしまいます。その他、多くの医療機関で同じだと思いますが、大型の医療機器は保守回線を用意して、ネットワークに入ることができます。
ということは一概に「クラウドはNG」ではなくて、Googleにも営業担当者みたいな人がいて、何かあったときに、「誰に問い合わせればいいか」が分かる状態なら良いのではないかとも思えます。

何年先になるのかわかりませんが、電子カルテが落ち着いたら、GoogleAppsの検討をしてみようかと思っていますが、日進月歩の世界なので、そのときにはもっと便利なサービスが出ているかもしれませんね。


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