相見積りの中で、去りゆくメーカー様へ

電子カルテ導入のプロジェクトでは、カルテシステム本体以外にも、いろいろな医療機器がバージョンアップや買い替えの対象になります。

となれば、徹底的な価格交渉をして出費を抑えたいものです。価格交渉の最も有効な手段が「相見積もり」です。一つの案件に複数の見積りを依頼するわけです。

「購入する立場」は非常に強いもので、メーカーに来ていただき説明を求め、いただいた見積を吟味する作業は、ある意味で「華やか」な仕事とも言えます。
その華やかさの中で、最後に笑えるメーカーはたった1社であることは言うまでもありません。コンペに参加したその他のメーカーは数週間、数ヶ月にわたって努力した結果が、「ゼロ」になります。
去りゆくメーカーの担当者には本当に気の毒なのですが、コストの増大は病院経営を圧迫し、ひいては患者様に迷惑をかけます。たとえ古くからの付き合いで会ったとしても、ここは譲るわけにいきません。


私は、これまでのいくつかの医療機関で仕事をしてきましたが、いろいろな購入案件に携わってきました。時には、病院の購買部門に所属していた時期がありました。


そんな中でこれまで一緒に仕事をした人の中には、「難癖」ともとれるようなゴリ押しで文字通り「買い叩く」という、仕事の仕方をする人もいました。そんな「買う側の立場」にモノを言わせた仕事の仕方がたまらなく嫌だった私は、誰もが納得いく合理性を求めて、詳細なデータを集める価格交渉を突き詰めようとしてきました。断られるメーカーが「それなら仕方ない」と思えるような、多角的でフェアなデータ分析をするように心がけました。

結局、情報量を稼ぐにはどうしてもメーカーとのやり取りが多くなってしまい、人間同士、情が湧いてしまい、断りづらさはむしろ増したような…。

と、こんな葛藤を抱えているのは私だけかもしれませんが、「買う側、選ぶ側」にも辛い気持ちがある、というお話でした。

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